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2018年11月07日

BCGの溶解液へのヒ素混入の報道と対応について

11月3日に報道されましたように、BCGワクチンの溶解液からヒ素が検出され
ていたことが厚生労働省から発表になりました。その後得られた詳細は以下のとおりでした。●の項目は厚生労働省発表。◎の項目は当院のコメントです。

● BCGワクチンを溶解する、生理食塩水(0.9%の塩水)に、最大39ngのヒ
素が含まれていた。
◎ 接種で実際に体内に取り込まれるのはこれの1/100程度とすると0.39ngと考
えられる。1ngはナノグラムと読み、0.000000001g (10億分の1g)
に相当する。
● ヒ素の毎日の許容量は体重5〜10kgの乳児の場合1.5〜3.0μg(1500〜
3000ng)である。
● 今回のBCGで投与されるヒ素の量は、毎日摂取しても安全な量よりはるかに
少なく、しかも1回のみの接種であるので、安全性に問題はない。
◎ ヒ素は自然界に存在する物質で、食品にも微量に含まれている。農水省のホー
ムページによると、
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/occurrence.html
2012年の調査で、精米では無機ヒ素が、平均で0.12mg/kg 検出されている。
たとえば離乳食の初期に10倍粥10gを与える場合を考えると、精米が約1g入っ
ているので、
1g × 0.12 mg/kg = 0.12 μg = 120ng のヒ素が含まれている。
精米1gは約50粒なので、米一粒あたり
120ng ÷ 50 = 24ng
含有されています。

それに対して、今回の投与量は0.39ng程度で、毎日の食事で入るヒ素よりはる
かに少ない量であり、健康への影響はないと考えられます。

また、米に限らずあらゆる食品に含まれています。
各種食品中のヒ素に関する文献データの調査結果から
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/hiso_level/index.html

ですから、すでに接種した方はご安心ください。

◎ ただ、当院としましては、ヒ素が入っているとわかっている生理食塩水をわ
ざわざ使う必要もありません。生理食塩水は要するに薄い塩水で、日常診療でも
安く広く使われているものです。メーカーは、12月上旬〜中旬ごろにヒ素の入っ
ていない生理食塩水を供給するようです。そこで、以下のいずれかで対応したいと思います。
◎ 新しく供給される生理食塩水が納入されるのを6ヶ月齢いっぱいくらいまで待つ。
または
◎ 問題の生理食塩水は使用せず、別に購入した生理食塩水を使用する。

ご不明の点がありましたら、お問い合わせ下さい。
posted by スタッフ at 20:14| お知らせ